ミネルバ・ボックスの黒(本体)×ブッテーロの黒で仕立てたオールブラックのDew-001。
小銭・お札・カードの全てが一つのポケットで完結している、シンプル、かつ独創的な構造のデザイン。
財布を持ち替える事なく一連の動作で確認、出し入れしやすい構造です。
この財布が普通の二つ折り財布と違うポイントは、表の革と裏の革を張り合わるのではなく、一枚の革を折って作っていること。
一枚革にすることによって、
・スペースを作れる、
・収納量に合わせて本体が膨らんで調節する、
・シルエット・フォルムが美しく形成される、
そして、手に持った時に縫い目が当たらないので触り心地が良く、馴染みがいい。
それらを踏まえて設計し、パターンを引いているので、新品を手に入れた時よりも
中に収納し、使うことで美しく育っていく財布に仕上げてあります。
財布としての使い勝手において最も重要なのがスペースをいかにつくり出すか。
例えばこの二つ折りの財布を開くと内側の革が自然と引っ張られてスペースができ、使い勝手が良くなる。
そして財布を閉じた時に中には収納スペースがしっかりあり、美しく納める事ができる。
このスペースを小さくするとコンパクトな財布にすることができますが、収納した時に財布の端に負荷がかかって反ってきたり、スムーズな動作の障害になったり、またお札の角を炒めたり、などなど。
財布とは何なのか?をしっかり考えて具現化したアイテムに仕上げました。
デザインに関しても付加していく装飾ではなく、削ぎ落としてシンプルに。
そして時間の先をデザインする。
「新品の時は、もっとも未完成の状態。
使う人が中身を入れた瞬間からだんだんと完成に近づいていく。」
そんなことを思ってつくりました。
「無い」ことがある、そしてそれが後に何かになる。
小銭入れには、外側のフラップを内側に入れてかぶせるだけの仕様。
そのフラップの裏側にもカードが収納できる様になっていますので、交通系のICカードを入れてそのままピッとご使用になれます。
この財布には金具が一つも付いていないのですが、単に壊れる箇所をなくす事や薄くするためだけでなく、財布自体が美しくあるための選択でもあります。
また財布を開いた内側に何も付けていないのも、そのためです。
フォルムや美しい経年変化を楽しむために選択した素材は
フランス原皮をイタリアで鞣し、染色をして輸入した革を使用しています。
発色が美しく、その色が育っていくのが楽しい素材。
そして、張りやしなやかさが美しいフォルムを生み出すようにと選びました。
この革はものすごく薄化粧。
すっぴんに近い素材ですので、革本来の血筋や染めムラ、生きていた時の傷などが見受けられますが、それらも使い込むにつれ馴染んだり新たな表情として魅力となっていきます。
そんな素材の特性もご理解いただければ幸いです。
中身を入れても分厚くならないように設計しているので、小さなバッグにも、
男性ですとシャツの胸ポケットにも入りコンパクトにご使用になれます。
サイズ:W90×D108×H25mm
m.rippleでは、
普段の生活の中で、自分がどういうモノを選ぶのか
どういうデザインのモノを選んで、どういう時間を過ごしたいのか
日々の暮らしの中でどういうデザインに拘るのか
という感覚を持って、生活を楽しんでいる人に向けてレザーアイテムを提案しております。
道具として使い勝手が優秀という事だけでなく、
空気感をつくれるほどの美しさであったり心地よさ、愛着の持って共に時間を過ごす事でアイテムに自分の時間を乗せ、歴史を刻んで育てることで自分自身を反映させた分身のような感覚を楽しんでいただければ幸いです。